ゴルフの起源
ゴルフとは、コースにおいて、クラブといわれる道具で静止したボールを打ち、ホール(またはカップ)と呼ばれる穴にいかに少ない打数で入れられるかを競う球技です。
スポーツとして広く親しまれていますが、一般人によるプレイはレジャーとして位置付けられる場合が多いです。日本では接待にも使われている印象です。ちなみに漢字では、孔球と表記します。
ゴルフは、紳士のスポーツとして知られていますが、起源については オランダ、イギリス、フランス、イタリア、中国など、様々な説があり定説がありません。
まず、ゴルフ(ホッケーのようにも見える)をしていたのではないかと思われるような古い絵画が ヨーロッパの各地にあります。
歴史家の中には、古代ローマ帝国時代に先の曲がったスティックで、羽毛を皮で包んだボールを打って遊んだpaganicaと呼ばれたゲームがゴルフの起源で、それがローマ帝国の勢力拡大と共にヨーロッパの各地に広がったと言う人もおり、それによればゴルフの起源は紀元前まで遡ることになります。
また、中国の元の時代の書物『丸経』(ワンチン)によると、中国では8世紀から12世紀に「捶丸」(ツイワンまたはチュイワン)と呼ばれる球技が行われており、これがゴルフの原型に当たるという説もあります。捶丸については中国の学者が、五代十国の時代にまで遡るという説を出しています。
さらに、12世紀に現在のセントアンドリュース・オールドコースのあった所(スコットランド)では 石を野ウサギの巣穴に入れて遊んでいたそうで、それがゴルフの原型だという説まであります。
しかし、現在のゴルフゲームに近い形態のゲームはオランダが発祥地で、その後、スコットランドに渡り多くの人によってプレーされるようになり、それがゴルフの起源であるとする説がもっともらしいようです。近年、オランダからスコットランドへのゴルフボール輸出書類が発見され、オランダが発祥地として有力視されるようになりました。
当初、オランダで1300年代に行われていた時には、各ホールの距離が、1000ヤードもある4ホールのコースでプレーをしていたという記録がありますが、当時は羽毛を中に詰めた皮製のボールを使ってプレーをしていたそうで、そのゲームは、spel metten kolve(またはkolven)と呼ばれており、その後、それがkolfと呼ばれるようになったと言います。そして、さらにそのゲームがスコットランドに渡ってgolfe/golfと呼ばれるようになりました。
起源にはいろいろな説があるものの、現在のゴルフというスポーツが発展し完成して近代スポーツとなったのは、スコットランドであることは間違いないようです。1452年にスコットランドで、ゴルフボール10個が10シリングで売られていたという記録があり、1457年には時のスコットランド王国国王ジェームズ2世によって、ゴルフにふけって弓道の鍛錬を怠る貴族たちへのゴルフ禁止令が出され、これがスコットランド史上におけるゴルフの初出であるとされています。国民は、禁止令を無視してゲームに興じたという話は有名です。
ゴルフはスコットランドの東海岸から広まっていき、宗教改革時のスコットランド長老教会の否定的な態度にもかかわらず民衆の娯楽として広まっていきました。1750年ごろにはエジンバラとセント・アンドルーズにゴルフクラブができ成文化されたルールが定められ、またイギリス帝国の拡大に伴って世界各地に移住したスコットランド人によってゴルフも各地で行われるようになりました。
とは言うものの、1850年に英国にあったゴルフクラブの数は、僅か24に過ぎませんでした。それが、その後の50年の技術革新(道具を大量生産する技術と鉄道網の発達)と共に大きく変貌しました。1900年までには 1850年の 50倍を越す1200以上ものゴルフクラブが出来たそうです。
この間にコースも大きく変化しました。第1回全英オープンが、1860年に行われましたが、この時は 12ホールのコースを3日間、合計36ホールで争っています。昔のゴルフコースは、その距離、大きさ、ホールの数などが、まちまちでしたが、ホール数が少なく、距離の短いものが多かったようです。しかも、この頃のゴルフはスコットランド人独自のスポーツに過ぎませんでした。
ゴルフが爆発的に広まるのは、1880年代にイングランドでゴルフブームが起きてからです。イングランド各地にゴルフ場が建設され、さらに1890年代にはアメリカでも流行が始まり、またイギリス人によって世界各地にゴルフ場が建設され、ゴルフは世界的なスポーツとなっていきました。
日本における最初のゴルフ場は、1901年に神戸市の六甲山に作られた神戸ゴルフ倶楽部です。 当初、4ホールのコースがオープンし、それが1903年には9ホールのコースとなりました。しかし、これは外国人向けのもので、日本人による日本人のためのゴルフ場は、1913年に井上準之助らによって東京・駒沢に作られた東京ゴルフ倶楽部が最初と言われています。
現在では世界に広まり、各国にプレイヤーが存在します。ゴルフ場も各国に建設され、2008年には35,112のゴルフ場が存在するまでになっていますが、中でもアメリカ合衆国が約半数を占め、圧倒的に多いです。
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